毎年、5月下旬から6月下旬くらいまでは、夜間、ホタル調査の時期になります。
業務でホタルのモニタリングをしているので、週1回くらいのペースで出現状況を確認しています。
主な対象はゲンジボタルとヘイケボタルで、シーズン前半はゲンジ、後半はヘイケとなります。
調査当日は、日暮前に現地に到着して、7時半ごろからそれぞれの成虫の数をカウントします。
ホタルの観察記録はカウントが基本ですが、夜間光りながら飛ぶ姿を写真撮影することもあります。
ホタルの撮影はカメラの各種設定を調整しなければならないので、少し難しい部分もありますが、
「それらしい写真」を撮るための撮影術について少し書いてみたいと思います。
最近のカメラは性能が良いので、暗くてもISO感度を上げれば昼間のように写せます。
ですが、逆に明るすぎてホタルの写真としては違和感のある写真になってしまいます。
個人的な好みもありますが、森の木々の間から空が多少見えて、その場所の雰囲気がわかるような暗闇の中に、ホタルの光跡が写るくらいが「それらしい写真」になると思います。
ホタルは種類によって光るパターンが違いますので、その特徴も出来れば写したい要素です。
カメラはデジタル一眼レフが使いやすいと思います。
あくまで参考ですが、撮影時の設定は次のようになります。
- 撮影モード:マニュアル
- ISO感度:1000~1600
- シャッター速度:30秒
- 焦点距離:24~28mm
- オートフォーカス:マニュアル(4m~∞無限遠の間で固定)
- 絞り:F2.8~F3.2
撮影時はしっかりとした三脚に固定します。
ISO感度やシャッター速度は、夜空の明るさや月が出ているかどうかにより適宜調整します。
バルブ設定にして1~2分に設定することもできますが、同じ設定で様子を見ながら3~4枚連続して撮影し、PCソフト上で合成した方が良い結果が得られます。
おすすめはSiriusCompというフリーソフトで、「比較明合成」という特殊な処理が簡単にできます。
その他、観察・撮影時の注意点として、ライトの光があるとホタルは逃げてしまったり、光らなくなったりしますので、極力使用を控えます。カメラの設定を現場で行う場合、液晶がかなり光るので手や布で覆うなどして光が漏れないようにします。
関東各地のホタル観察会は、これからがピークになります。
場所によっては、写真撮影を禁止しているところもあるので、事前に確認しておく方が良いでしょう。
また、三脚の使用も暗闇だと思わぬ転倒事故につながりかねないので、邪魔にならないか注意しましょう。
この時期しか見られない美しいホタルの光を観察しに出かけてみてはいかがでしょうか?