戦後から高度成長期に作られ、50年以上経過したインフラストラクチャーが老朽化し、補修、補強や作り変えが必要なものが増えています。当社では、その中で、皆さんにあまり馴染みがないものなのかもしれませんが、防火水槽の補修・補強に取り組んでいます。
防火水槽は、消防庁及び各自治体などが設置し、火災発生時の消火用の水供給源として利用されます。
主に、道路の地下に設置されている場合が多く、以下の写真のような道路上のマンホールが防火水槽の取水口になっています。
防火水槽は古いものでは戦前からの物もあり、東京消防庁によれば、東京二十三区内には約3,000箇所あるそうです。
大きさも色々ですが大体40t~100tの消火用の水を貯水しています、地震の被害でライフラインが寸断され、水道水が供給されなくなった時などに威力を発揮します。
老朽化した防火水槽について、補修・補強を検討、設計していきますが、そのために、防火水槽内の状況を知る必要があり、以下の写真のように内部の水を抜いた後、調査員が中に立ち入り、寸法、内部損傷状況確認、非破壊検査(水槽の壁厚、鉄筋の径の間隔を調べる)などを行います。
水抜き後の防火水槽の内部の状況及び非破壊検査の作業状況は以下の写真のとおりです。
調査終了後現況の防火水槽の図面を作成し、壁厚を厚くする、補強材を入れる等の補修・補強方法を検討します。
そして、東日本大震災クラス地震にも耐えうるかを検証するための構造計算を行った上、補修・補強方法を決定し、補修・補強工事につなげていきます。