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暑気払い

投稿日: カテゴリー: イベント

去る6月29日、社内行事として、少し早い暑気払いを行ってきました。場所として選定したのは高尾山ビアマウントです。

ビアマウントからの展望  ビアマウントからの展望

当日は業務を少し早く切り上げ、京王線で高尾山口駅へ向かいました。
高尾山口駅を出て、猛暑の中、汗を拭いながら少し歩くと、高尾山麓の清滝駅に到着します。
ここからは、ケーブルカー組とハイキング組に分かれて、ビアマウントのある山頂駅を目指します。

当社には自然環境に興味を持った社員が多いため、ハイキング組は自然環境に関するいろいろな話題で盛り上がります。
私が選んだルートは病院の脇を通る勾配の比較的きついルートです。
最初は谷を歩くため、ジメジメしていましたが、尾根に出ると風が抜けていて気持ちがよいです。

尾根付近にはアカガシやモミの大木が多くとてもよい環境です。
途中、ニホンリスが枯れ枝に付くキノコ類を食べている状況に遭遇しました。
トレードマークの尻尾が大きくて目立ちます。
ムササビで有名な高尾山ですが、その他の哺乳類の種類数も多いようです。
さらに、展望台近くではブッポウソウという鳥類が飛び去って行くのを見ることが出来ました。
残念ながら写真は撮れませんでしたが、都内でブッポウソウが見られるとは思ってなかったので感動しました。

ニホンリス  ニホンリス

このルートを30分かけてゆっくり登っていくと、ビアマウントが見えてきました。

暑気払いの乾杯をして、各自蜘蛛の子を散らすように食べ物や飲み物を取りに行きます。

ビールの銘柄は5種類ほどあり、また、ソフトドリンクも豊富にあります。
さらに、食べ物も中華、和食、鍋、おでん、焼き鳥、サラダ、デザートなど、種類の多さには驚きました。

ビールその1  ビールその2
ビールの種類も様々です。お気に入りの銘柄に気付いたのは帰り際でした。

中華その1  中華その2
料理はなくなったかと思うと別の品目が出ていたりするので、こまめに見に行かないと気付かないで損をします。

おでん和食  点心
写真にはありませんが、おでんや点心のほかに鍋もありました。

2時間ほど経過・・・。

結局、昼の景色から夜の景色に切り替わる19時頃までいましたが、山頂駅周辺はすでに涼しくなっており、昼間の暑さを忘れてしまうほどでした。

ここで暑気払いはお開きになりましたが、私を含め、夜の高尾山を堪能していきたいメンバーは、腹ごなしに夕焼けの消えかかった山道に向かったのでした。

(その後、ムササビは一瞬だけ見ることができました。また、昆虫については、満月だったため、外灯に集まる虫が少なくやや拍子抜けしてしまいました。)

ホタル

投稿日: カテゴリー: 昆虫昆虫類調査自然環境調査
ヘイケボタル(2018年5月)

ホタルの鑑賞会が日本のあちらこちらで始まりました。
私たちも5月中旬より恒例行事のようにホタルの出現種数をカウントしております。

日本の各地で、ゲンジボタル、ヘイケボタル等いずれもカワニナなどを餌にする水生ホタルが親しまれております。
しかし、実際には、陸生ホタルのほうが種類も多く、この水生ホタル及び陸生ホタルをあわせて、国内で40種近く、
海外では、熱帯地方から温帯地方にかけて、おおよそ2,000種類のホタルが生息していることが確認されています。

ゲンジボタル(2018年6月)

実際、近くで見ていますとホタルの光にみとれて、時間がたつのも忘れてしまいがちです。
また、撮影を試みますが、実際の状況を撮影すると、上記のような写真になります。
動画等を使って現場の美しい光景を皆様にお伝えしたいのですが、ホタルの光だけをクリアに捉えて、おみせすることは、非常に難しい状況です。

日本ではこれまで、ホタルを復活させる活動が各地で行われ、現在では、ホタルの鑑賞会が夏の風物詩になりつつありますが、谷津田、谷戸のような里山的な生態系が保たれていなければ、ホタルの生息環境も乏しくなります。

今後も可能な限り、自然環境保全の観点から、ホタルの生息環境を整備し、
毎年、ホタルが生息できるように興味をもって見守っていくことが重要と考えます。

ホタル観察と撮影のコツ

投稿日: カテゴリー: 昆虫昆虫類調査自然環境調査

毎年、5月下旬から6月下旬くらいまでは、夜間、ホタル調査の時期になります。
業務でホタルのモニタリングをしているので、週1回くらいのペースで出現状況を確認しています。
主な対象はゲンジボタルとヘイケボタルで、シーズン前半はゲンジ、後半はヘイケとなります。

調査当日は、日暮前に現地に到着して、7時半ごろからそれぞれの成虫の数をカウントします。
ホタルの観察記録はカウントが基本ですが、夜間光りながら飛ぶ姿を写真撮影することもあります。
ホタルの撮影はカメラの各種設定を調整しなければならないので、少し難しい部分もありますが、
「それらしい写真」を撮るための撮影術について少し書いてみたいと思います。

最近のカメラは性能が良いので、暗くてもISO感度を上げれば昼間のように写せます。
ですが、逆に明るすぎてホタルの写真としては違和感のある写真になってしまいます。
個人的な好みもありますが、森の木々の間から空が多少見えて、その場所の雰囲気がわかるような暗闇の中に、ホタルの光跡が写るくらいが「それらしい写真」になると思います。
ホタルは種類によって光るパターンが違いますので、その特徴も出来れば写したい要素です。
カメラはデジタル一眼レフが使いやすいと思います。

あくまで参考ですが、撮影時の設定は次のようになります。

  • 撮影モード:マニュアル
  • ISO感度:1000~1600
  • シャッター速度:30秒
  • 焦点距離:24~28mm
  • オートフォーカス:マニュアル(4m~∞無限遠の間で固定)
  • 絞り:F2.8~F3.2

撮影時はしっかりとした三脚に固定します。
ISO感度やシャッター速度は、夜空の明るさや月が出ているかどうかにより適宜調整します。
バルブ設定にして1~2分に設定することもできますが、同じ設定で様子を見ながら3~4枚連続して撮影し、PCソフト上で合成した方が良い結果が得られます。
おすすめはSiriusCompというフリーソフトで、「比較明合成」という特殊な処理が簡単にできます。

ゲンジホタルの飛翔

その他、観察・撮影時の注意点として、ライトの光があるとホタルは逃げてしまったり、光らなくなったりしますので、極力使用を控えます。カメラの設定を現場で行う場合、液晶がかなり光るので手や布で覆うなどして光が漏れないようにします。

関東各地のホタル観察会は、これからがピークになります。
場所によっては、写真撮影を禁止しているところもあるので、事前に確認しておく方が良いでしょう。
また、三脚の使用も暗闇だと思わぬ転倒事故につながりかねないので、邪魔にならないか注意しましょう。

この時期しか見られない美しいホタルの光を観察しに出かけてみてはいかがでしょうか?

サラサヤンマの調査と保全

投稿日: カテゴリー: 昆虫類調査環境保全自然環境調査

先週、東京近郊のとある場所でサラサヤンマの調査を実施してきました。
前日までの雨模様とは打って変わって、当日は晴れて気温も上がり、絶好の調査日となりました。

さて、タイトルにあるサラサヤンマとは、昆虫類のトンボ目ヤンマ科に属する種類です。
皆様よく御存じのオニヤンマと比べると随分と小さな種類で、腹部に三角形の更紗模様が並んでいるのが特徴です。

この地域では例年、5月から7月にかけて見られますが、ベストシーズンは短く5月20日前後です。
今年は例年と比べると暖かい日が多く、季節の進行が速い印象を受けていましたので、早い時期に調査日を設定しました。
この日は10個体以上が確認されましたが、全てオスの個体であり、メスの個体は確認されませんでした。
昆虫の生態ではよくあることですが、オスはメスより先に出現し、後から羽化してくるメスを待っているかのようです。
今回はやや早い時期に調査日を設定したためかもしれませんが、オスばかりが確認され、メスの確認にはいたりませんでした。

実はこの調査、サラサヤンマ自体の確認が目的ではあるのですが、それ以外にも保全対策として、幼虫をたくさん育てて放流することとしています。そのため、採卵するための親メスが必要であり、今回確認できなかった採卵用のメスを確保するため、5月中にもう一度調査を実施する予定です。
写真はサラサヤンマのオスで腹部がくびれていますが、メスの個体は腹部が太く全体的に黄色い模様が多い印象を受けます。

その他、サラサヤンマ調査の時に確認されたインパクトのある種類を紹介します。

ヤナギの枝先につくシロスジカミキリのメス。この木の根元にはオスの個体も見られました。

オオバヤシャブシに産卵するハンノキカミキリの交尾中の個体。

マテバシイにつくアカスジキンカメムシ。当地ではよく見ることができます。